引き続き、ごぼうコロッケに嬉しいお声を頂いています。
今日は【誕生秘話】を書いてみます。
ごぼうコロッケは、
オープン当初にお店の土台作りに尽力してくれたスタッフchiyoとの共作です。
彼女の「ごぼうの角切りを入れる」というアイデアに、
私がやってきた植物性素材だけで作るレシピを融合させました。
![](https://daidokoro-tamanegi.jp/wp-content/uploads/2023/06/352316134_150042114738651_8512088634326401259_n-300x300.jpg)
挽肉やバターが担っていた旨みを
塩と醤油という調味料に変えて、
ぐっとじゃがいもの旨みが引き出され、
これだ!という美味しさができあがりました。
それを瞬時にレシピ化できたときは二人で思わずガッツポーズ。
私自身、ごぼうの角切りの食感と香りに、
あー、こういう使い方があるんだ!って
感動がありましたし、彼女もそうだったと思います。
あの瞬間のグルーブ感はずっと忘れない。
そんな二人の料理家の知恵の結晶化がごぼうコロッケなのです。
なぜ、植物性食材のみのコロッケを商品化しようとしたか?
その理由のひとつは、
単純に卵を使わないガリっとした衣の美味しさ、
塩で旨みや甘みを引き出したじゃがいものシンプルな味わいを体験して欲しいと思ったから。
もうひとつは、
食の主義主張を超えて皆で「美味しい!」と一緒に食べられるコロッケがいいという想いがあります。
…家族の中で誰かの食アレルギーが発覚したり、
誰かがベジタリアン、マクロビオティックというセオリーを採用すると、
どうしても食の分断が起きます。
食べることはそのまま生きること。
食べているものが違ったり、嗜好を否定されるとどうしても敵対関係に陥りやすい。
食と人間関係は密接なつながりがあると思うのです。
![](https://daidokoro-tamanegi.jp/wp-content/uploads/2023/06/351309065_927533124985784_6246867631993854848_n-300x300.jpg)
でも、このごぼうコロッケだったら、
たとえば、卵アレルギーのある子もない子も兄弟姉妹で同じものが食べられる。
ベジタリアンの友人とそうではない人が同じものを食べられる。
互いに変わる必要がなく、
相手を変える必要もなく、
互いの主義主張やあらゆる違いを超えて「美味しい!」という一点でつながれる。
そこが一番大切。美味しい!は人を幸せにするすごい力があるよ。
そんな想いを込めています。
お肉を使っていないからといって、
決して味気ないコロッケというわけではなくて、
ノンベジタリアンの方にとっても、
素材が何かに関係なく「美味しい!」と感じてもらえる力のあるコロッケです。
もちろん、
子どもの頃から「クソ」がつくくらい真面目な私、印南真帆が作っていますから、
添加物なんぞ使わない実直調理ですよ。
わたしは、約10年ベジタリアン生活を実践していた時代があります。
30代の時です。
その経験とマクロビオティックの理論からわたしが体得したものは、
調理は陰陽を調節する錬金術であり、
科学であるということ。
その智慧は、マクロビオティックを実践する人だけでなくすべての方に役立つということ。
今、わたし自身は何でも食べる人になっていますが、
今もずっと調理の面白さと凄さに魅せられ続けています。
だからこそ、調理のもつ人を健康に、
しあわせにするチカラと「食」の価値を上げていきたいと思っているのです。
…ということを熱く語るのをすっかり忘れておりました笑 おほほ
これからもごぼうコロッケを愛してくださったら嬉しいです。